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昨日、こっちに来てから知り合った友達が日本に帰った。
「誰も空港に見送りに来なくていいから。来たらきっと泣いちゃうから」
と言ってた彼。
どっからどう見てもギャングスタみたいないかつい彼が実は涙もろかったのか、と思うとちょっと笑えるけれど、実際飛行機が飛び立つときの気分はどうだったんだろうと考えると、自分がワーキングホリデーから日本に帰ったときの、あの張り裂けそうな気持ちが少しよみがえる。
今度の日曜には、日本にいた頃から知っていて、去年の4月からカナダに来ている友達もいよいよ帰国する。彼も「泣いちゃいますよ」と今から言ってるし、彼とは結構一緒に遊んだりしていたので私も相当寂しくなってしまうことは間違いない。
そんな今の状況に、ここ最近のホームシックも手伝ってか、今朝日本に帰った夢を見た。
夢の中では「カナダにしばらく戻れない」っていう設定になっていて、「それは困る」と悩んでいる私。どっちなんだか…

留学や仕事、移住なんかで長期で海外にいる日本人の中で、日本に一時帰国するとき、たまに
「日本に行く」
という言い方をする人がいるけれど、私はそのいい方にはちょっと疑問を感じる。
日本は「家」なんだから、「帰る」って言い方じゃないの? と。
ちょっと前、有名な日本人の女性漫画家で、イギリス人と結婚してイギリスに移住することになったエピソードをエッセイにしている人がいるんだけど、そのエッセイの中でその人は、日本の実家に帰ったときに
「来日した」
と書いていた。
もうイギリスの国籍を取得しちゃってるのかもしれないけれど、「来日」なんて言い方をしたら日本の家族の人は悲しいんじゃないの? って感じ。

よく耳にするのが、留学生などで
「私には日本はあわない」
って言ってる人。それはまあ、あわない部分もあるかもしれないけど、自分が生まれ育って普通は20年とかそれ以上住んでいる国なんだから、たった1年やそこら外国を経験して
「どこどこの国のほうが私にあっている」
という言い方はどんなもんだろう、と。
同じく数年海外に滞在していた人が
「日本語より英語(あるいはそのほかの言語)のほうがしゃべりやすい」
なんて話しているのを聞くのも
「何言ってんだ?」
って思う。そりゃあ、その言語独特の言い回しがあって、それを日本語で説明するのは難しいという場合はあるかもしんないけどさ。赤ちゃんのときから聞いて、しゃべってる母国語だよ。長いこと外国にいてその言葉ばっかしゃべっていてとっさの場合の日本語が思いつかないなって場合があるのは私も理解できる。けど。
私はカナダを始め、アメリカやヨーロッパの国のいくつかに長期で滞在したことがあるけれど、例えば、いくら近い友人でもカナダ人の考え方がわからないこともある。根本的な文化の違いがあるから、うまく説明できないこともよくあるし。
日本人の友達の方がわかってくれるだろうってことは本当にたくさんある。

海外にいるからこそ、日本や日本語や日本人の良さ、美しさ、っていうのがわかることもある。
日本の文化の素晴しさとか、特にね。
海外にいるからこそ、きれいな日本語をしゃべりたいし、日本人としての誇りを持って歩きたいと思う。
たまに、日本人と見られたくないのか、髪をブロンドに染めて青いカラーコンタクトをしている子や、肌を焼いてアフリカン・アメリカンのような格好をしている子を見かけたりするけれど、それぞれの人種にはそれぞれの歴史的背景があるのだから、見かけだけでなりきっちゃうのもどうかと思う。はっきりいって、まねされている彼ら本人達から見れば変だし、実際白人の友達が町で見かけた「ブロンドの髪の青い目の日本人」は「怖いとしか思えなかった」と言ってた。
「なんで日本人として胸を張って歩かないの?」と。

長くなっちゃったけど、昨日帰っちゃった友達、そしてもうすぐ帰っちゃう友達も、きっとカナダに滞在してカナダや日本だけじゃなくていろんな文化のことを知ることができたと思うし、それに、日本のことをもっとよく知るきっかけにもなったと思うんだ。
だから、日本に帰っても、カナダのことを忘れず、そして日本のことをもっと好きになって欲しいなと、思ったわけで。そんでまたいつかカナダに戻って欲しいなと。

偉そうだな~…
「ねえさん何言ってんすか?」
って言われちゃうかな。笑。ま~いっか。
by pixonthebeach | 2005-03-12 04:52 | life....


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